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八段審査の難易度
剣士さん
全日本剣道連盟から令和3年5月1日(審査1日目)の八段審査合格発表がありましたね
受審者総数421名中合格者2名という狭き門でした
毎年の平均合格率が0.5%前後って司法試験より厳しくないですか?





そうですね。超難関の国家試験と比較してもその差は歴然としています



剣道八段ってすごい!どんな人が剣道八段になれるんですか?



全剣連の『剣道称号・段位審査規則』によると「八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者」とあります。



なんか表現が凄い!



実技審査は2回あります。一次審査を通過するのも至難の業で、何十年も一次審査を通過できない人がたくさんいます。一次審査を通過できても、さらに一握りのつわもの同士で実技の二次審査に立ち向かわなければなりません。



ひぇ~!審査会場にいたら緊張感が漂いそうですね。



私も実際、学生時代に父親の二次審査に同行しましたが、会場は整然な中にとてつもない殺気が感じられ、何とも言えない緊張感を感じたのを覚えています。



メンタルが重要になりますね。



そうですね。余談になりますが、私が同行した時の父親の二次審査では、お相手の方から声を掛けられ談笑してしまったため、落ちた後に叔父から「相手と話すからだよ!」と苦言を呈されていました。お相手の方は勢いに乗って合格されました。



「打ったら合格」「打たれたら不合格」というわけではないのが難しいところですね~。



はい。私も六段は2回目で合格することができましたが、七段は5年間14回も受審して、途中剣道がわからなくなる時期もありました。



じゅ、14回!苦労されましたね。



はい。東京、京都、新潟、福岡など年間3回、全国を飛び回りました。ところで八段審査の話に戻りますが、見事に二次審査を通過すると、最後は刃引きを使って「日本剣道形」を演じることになります。



木刀じゃないんですね。



刃引きとはいえ失敗すると大怪我すると思います。父親が合格した時の形審査では、お相手の方から親指の間を切られてしまい出血したそうです。審査員にバレないように最後まで隠しとおしたそうですが…。



す、すごい!まさに真剣勝負でしたね!



そうですね!八段は、”剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者”ですから。八段は実技審査があまりにも厳しいものですから、どうせ不合格だろうと思って新幹線に乗って帰路に向かっていた人が、会場から二次審査合格の連絡を受けて、大慌てで会場に戻ったという笑い話はたまに聞きます。



ははは…。BABARIN-EX先生も近い将来、八段を受審されるんでしょうか?



以前は八段を受審することは剣道界を良くするためにもマストだと思っていましたが、今はそう感じていません。段位は関係ないと思います。若い頃に叔父や周囲の尊敬する先生方が「剣道は七段まででよい」と受審しなかった意味がようやく今になってわかってきました。八段になると全剣連の研修を受講しなければならず、また講師として全国へ派遣されたりで、自由な活動がかえって制限される面もあります。



そうなんですね。BABARIN-EX先生は常々、一門の剣道を継承することを意識されていますもんね。



「八段に合格すること」よりも、八段に負けない実力を養うことと、社会に貢献できるように勉強に励んでいくことが重要だと思っています。周りが八段とみて稽古にかかってくるので「八段を取ったら強くなる」といわれる面もありますけど、結局は自分を磨くのは自分自身ですからね。



人柄や勉強しているかどうかは段位に関係なく伝わりますもんね。ありがとうございました。今度は”範士”についての話も聞かせてください。



わかりました。またの機会に話しましょう!
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