雄心舘の稽古で伝えてきた「剣道講話」を、当時の言葉のまま掲載します。(初出:平成26年8月31日・旧サイト「ウェブ道場」)
欧米発祥で『紳士のスポーツ』といわれるゴルフやテニスのギャラリーは、静粛な雰囲気の中で選手の動きを見守り、プレー直後の拍手はすがすがしいほどです。
また、自分が応援する選手だけでなく、相手選手の良いプレーにも自然と拍手が沸き起こります。
武士道精神を重んじる剣道も、中体連や高体連などの大会実施要項には、『応援は拍手のみ』と明記されており、騎士道精神を背景とした紳士のスポーツ同様、静粛な雰囲気での応援を求めています。
しかし、実際は、大きな剣道大会に行くと、強豪チームほど大きな声援が飛び交い、組織的な応援は、部外者からみると不快感、嫌悪感を感じる人もいるのではないでしょうか。
雄心舘も、これまで多くの大会で辛酸をなめてきましたが、相手が一本を取って、その応援者達が歓喜の声を上げる姿を見て、その度に悔しい思いをしたことでしょう。
平成26年の夏休み、雄心舘の現中学生チームは、優勝してみて初めて、今度は今まで以上にいろんな行動を周りから評価される立場になりましたが、良くも悪くも、それは選手だけではなく、雄心舘に関わるすべての人達の行動が問われることになってくるでしょう。
優勝した中学生チームには、試合直後のミーティングで、監督が『勝って兜の緒を締めよ』と言いましたが、浮かれた顔をした選手は一人もいませんでした。立派でした。
ご父兄の方々も、子供達の初めての優勝を目の当たりにして、大変お喜びでしたが、試合後の審判長の講評が、監督と同じ『勝って兜の緒を締めよ』という言葉であったことは、もしかしたら「優勝した道場は、道場に所属する全体として気を引き締めなさい。」という意味だったのかも知れません。
雄心館として、今一度、馬場武雄先生の指導理念『もののあわれを感じ 風流で優雅さがあり 思いやりのある日本人たれ』
を咀嚼したい。
ただし、理想は高くとも、強くなければ説得力がありません。
だからこそ強くなることを求め、強くなった道場が、思いやりのある応援を続けていけば、自然と剣道界全体の応援が良くなっていくはずです。
そのような『王者の応援』をしていきたいものです。
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