先(せん)

「先」とは、相手の意思の動きをいちはやく察知し、機先を制して勝つ機会のことです。 

以下、3つの先があります。 
 
①「先前(せんぜん)の先」 
相手が動作を起こす前に、先に打ち込む機会のこと。
相手より先に仕掛ける勇気が必要です。 
 
②「先(せん)の先」 
相手と同時に打突する機会のこと。
我慢できず先に出れば返され、相手を待っては遅れを取るような状態は、ぐっと我慢して先を掛け出頭を打つと最高の機会となります。 
 
③「後(ご)の先」 
相手に先に技を出させて、返したり、抜いたり、あるいは竹刀を制したりして打突する機会のこと。
この機会は決して待ってはいけません。むしろ「先前の先」の気位でいることにより、相手がこちらの気に押され、無理に打ってくる機会こそが「後の先」の醍醐味となるのです。

この剣道の戦いで大事な「先」を皆さんの日常生活に置き換えたらどうでしょう。

朝早く起きることはもちろんのこと、学習であれば予習をして授業や試験に備えておくことが、行動に「先」を取ると言えますね。

仕事の交渉であれば、第1案、第2案・・・と事前に相手の動向を予測し準備しておくことで、たとえ結果的に予測が外れたとしても、そのことに動じず、あらゆる状況の変化に即座に対応できるようになることでしょう。

稽古であれば、早めに道場に来て、素振りをしたり、打ち込み台を打つ、誰よりも先に面を着け一番に先生に掛かる。このようなことをこつこつと続けている人で強くならない人はいません。

そのような人は、いずれどのような世界でも通用する人物となることでしょう。

剣道の勝敗だけでなく、日常生活においても、常日頃から「先」を取っておくことは、その人のこれからの人生をも左右する重要な要素といえます。

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雄心舘(少年剣道道場)のアバター 雄心舘(少年剣道道場) 長崎市で伝統的な習い事

長崎県長崎市の少年剣道「雄心舘」です。
雄心舘では剣道の技術だけでなく、学校教育では学べない日本の伝統文化を教えていきます。
剣道をすることで自国の文化を深く知り、それと並行して語学や計算を上達させていけば、諸外国の人達からも真の国際人として認められることでしょう。

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