小さい面打ちが得意な人と、大きい面打ちが得意な人。
小さい面打ちは、技の出が速いので相手を惑わします。
反面、射程距離が短いので、足を使って十分な打ち間に入らなければ(あるいは相手を引き出さなければ)相手には届かず、そのため相手の打ち間に入るリスクが伴いますし、さらには冴えた手の内で十分にとらえきれなければ、当てただけの不十分な打突となってしまいがちです。
また、間合いの取り方の上手な、懐(ふところ)の深い相手にはなかなか通用しません。
大きい面打ちは、小さい面打ちよりも遠い間合いから、さらに相手の小技をも打ち崩すことができ、打ち切ればたとえ打突部位をとらえきれなくとも見る者を感動させることがあります。
反面、大技は、技を出すまでの業前(わざまえ)で相手に勝っていることが大事で、ただ大きく打つだけでは、相手に隙を与えるようなものです。
稽古では、大技をたくさん稽古して、その際、業前をしっかり意識することです。
大技の稽古は振り幅が大きい分、相手に打たれやすいため、幼少年時代は勝ちに恵まれないこともありますが、後に必ず強くなる稽古方法です。
勝負強さを求めるならば、間合いによって大技と小技を使い分けることです。
大技ばかりの人は、近い間合いではとっさの技が打てませんし、小技ばかり使う人は、簡単に勝てるときもありますが、まったく相手に技が届かなかったり、将来的にはスピードがなくなったら勝てなくなる恐れがあるので、大技と小技、どちらも稽古しましょう。
そして、どんな技も業前が重要ということです。
技を出すまでが剣道である。技を出してからは運動である。
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