懸かる=攻撃、待つ=防御。
つまり“攻防一致”のことです。
戦いの中では、懸かる中に待ち、待つ中に懸かる態勢を維持します。
仕掛け技が得意なだけでは、いつか相手に出鼻を打たれたり、返されたりします。
出頭技や返し技が得意なだけでも、相手に待っていることが伝われば、間を詰められたり、引っ掛けられたりして打たれます。
「懸待一致」を実践するためには、たとえば返し技が得意でも、まずは先々の先の気で相手を攻め、隙があれば相手に打ち込むという攻め(本当に隙があれば技を仕掛けるぎりぎりの気位で)をしていきます。
そうすると大抵、相手がこちらの攻め気に押され、まだ十分な打ち間ではないところで打ちこんでくる、そこを返すのです。
その時、もし相手が打ってこれなければ、こちらが十分な間合いと態勢になっている可能性が高いですから、そうであれば自信を持って打ち込めばよいのです。
ちなみに「打つか、受けるか」は、最悪の剣道、
「打ってよし、返してよし」
これが剣道の醍醐味です。
打たれて強くなる
一刀正伝無刀流の創始者、山岡鉄舟は幕末、千葉周作の北辰一刀流玄武館に入門し、なりふりかまわず稽古に励み、二十歳で幕府の講武所の教士に任命されたといいます。 鉄…
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